黒地の付下げ柄、波模様の着物で創ったワンピースとなります。
金糸や銀糸が使われている刺繍のような波模様、
地模様も波の凝った生地ですが、柄も小さめで色合いも暗いせいか、
それとも波の飛沫が海の冷たさを想像してしまうのか、地味な暗い感じがする着物でした。
そんなイメージを打破する為に、まず色のある波模様の部分だけをカットしてみました。
そして、合いそうなニ種類の着物生地を加えて、
パッチワークのように組み合わせてワンピース中央部分を創りました。
利用した同じ波模様が入った黒の無地の着物生地は、
以前にも同じように波つながりで他のワンピースと組み合わせた脇役として主役を引き立ててくれる有り難い大活躍の生地です。
もう一つは銀ラメ糸が横ラインに使われた絽の羽織りだったもの、
夏物の透ける素材なので裏に黒の接着芯を貼り他の生地と組み合わせてもおかしくないようにしました。
銀のラメのキラキラ感と生地にある曲線の模様が雰囲気をアップしてくれました。
胸元は着物のように二枚の布を重ねてV字に、スッキリと見えて着るのにも着やすい衿ぐりですが、
それだけではなく左右の生地を変えたことも違和感なく生かしてくれた効果的なデザインです。
左右の身頃、袖の黒の生地はメインの着物の残りの生地を利用しました。
波模様をカットした後なので、長さが足りず袖にはカフスのように生地を足しました。
仕方なくしたことですが、それが服のデザインとしても生きていると思います。
正絹の黒地のワンピースはやはり格式が高くシックでフォーマルにも着られる便利で素敵な一品となります。
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